日本人の身体の悩みでダントツで多い「肩こり」。
働き盛りの人に多いかと思えば、学生も肩こりで悩んでいたり、デスクワークの人に多いのかと思えば、力仕事やお子さんをだっこしているお母さんが肩こりで悩んでいたり。そんな「肩こり」を解消すべく、「肩こり解消」の看板をかかげる格安マッサージ店やリラクゼーションサロン、整体のお店をよくみかけます。書店でも「肩こり」専門の本がずらりとならび、インターネットで検索してみてもものすごい数のホームページがでてきます。でも、肩こり解消法について考えただけでも、もう肩がこって来ませんか?
「肩こり」の辛さから開放されるには「肩こりとはなんぞや?」をまず知ることです。そうするとおのずと肩こりを改善するための鍵がおのずと見えてきます。
そもそも「肩こり」とは?
一言で言うと、肩こり=僧帽筋の硬結(こうけつ)です。
上の図の赤い筋肉が僧帽筋です。
硬結とは本来、筋肉のように柔らかいはずの組織が、なんらかの理由で硬くなることをいいます。
何らかの理由には、「筋肉の炎症」や「うっ血」があります。
筋肉の炎症は簡単に言うと同じ筋肉を使いすぎたり、怪我をしたことでおこる症状のことです。筋肉が腫れたり熱を持ったりします。
うっ血とは運動不足やその他の理由で血流が停滞し増加した状態になっていることです。つまり、静脈血の流れやリンパ液の戻りが悪くなり老廃物が一か所にたまってしまう現象です。
つまり、「肩こり」は僧帽筋を動かしすぎ(使いすぎ)でも、動かさなすぎ(使わなすぎ)でも起こりえます。やっかいですね。
僧帽筋をチェックしてみましょう
では、肩こりがどの様な状態か一度チェックしてみましょう。
もし、僧帽筋が硬くなっていると次の動作がしにくくなります。
① 顔を上に向ける(上を向く)
② 横から手をあげてばんざいする
③ 胸を張る
④ 肩甲骨をぐるぐる回す
上記がやりにくかったら、僧帽筋が硬くなっている「肩こり」と言っていいと思います。
僧帽筋が硬くなったり、肩周りの筋肉が凝ると、肩甲骨の動きが悪くなります。そして肩甲骨が硬くなると、鎖骨も硬くなります。成人の男性の腕1本で約6キロぐらいあります。鎖骨はその重たい腕を支える大切な骨です。また、首の筋肉は肩甲骨をつりあげる働きをしています。なので何もしていないのに首・肩が凝るということがおきます。そして、肩甲骨と鎖骨の動きが鈍いと、腕を動かしたり肩周りの運動が抑制されるので、肩周りが運動不足になり、肩こりが悪化します。と言う風に、既に「負の連鎖」が起きてしまっていることに気付くと思います。
では、次回は肩こりが起きる細かな原因をいくつかみていきたいと思います。
院長 おおしま