身体の痛みと言えば、「肩こり」「腰痛」「首こり」が多いとイメージがありますが、同じくらい患者様がツライと訴えているのは、「背中の違和感」「肩甲骨周辺の痛み」です。
背中の痛み
背中の痛みは長い時間同じ姿勢で腕を動かす作業をする人(パソコンなども)・重い荷物を絶えず持って運ぶ仕事をしている人に多いようです。多くは、肩甲骨を固定している僧帽筋という筋肉が疲労していることが原因です。普段から姿勢が悪い人は背骨がゆがみ、それが原因で背中に痛みを感じる人もいます。また、背中というより、肩甲骨周辺がピンポイントでがちがちになって重苦しい人もいます。
僧帽筋の疲労が原因の背中の痛み
・重いものを持つ
・長時間同じ姿勢でデスクワークや細かい作業を行う
上記の場合、背中の浅いところにある筋肉=僧帽筋という大きな筋肉の疲労がたまって、肩甲骨の下の方から肩にかけて全体的に重たい痛みがあります。
飲みすぎなどで、肝臓がつかれている場合も同様の痛みが現れることがあります。
背中の筋肉がこって痛む場合は、肩甲骨周りの筋肉の可動域を上げ、血流・リンパ液の循環をよくし、新鮮な動脈血を細部にまで届けるとともに、筋肉の疲労物質(乳酸)を追い出す必要があります。そのためには興奮しすぎた交感神経を抑制することが必要です。
背骨の歪みが原因の背中の痛み
本来なら、身体のバランスを正しくとるために、ゆるやかに弯曲しているはずの背骨が、筋肉の衰えや悪い姿勢によって歪んでしまったり、どちらか片側に引っ張られた形になると、どうしても周辺の背中の筋肉がひっぱられ、痛みを感じます。骨盤が歪んでしまっても、その上にある背骨が不安定になり、バランスを取ろうとすることで余計な負担を背中や首がになってしまうことがあります。背中や肩甲骨が一旦痛いと感じると、肩や首などと違って揉んでも押してもなかなか改善しないのは、本当の原因である骨の歪みにアプローチした施術を行っていないからという場合が多いです。
骨折や骨のヒビによる背中の痛み
これは、慢性痛ではなく怪我によるものなのでとても激しい痛みになります。整形外科や接骨院で診てもらう必要があります。
内蔵の不調による背中の痛み
神経学反射となってでる痛みです。押したり、マッサージして治るものではありませんので病院で診てもらう必要があります。
肩甲骨周辺の痛みと違和感
マッサージなどで「もっと強く、もっと強く」と強い刺激を求めるお客様がいらっしゃいますが、それらのお客様が辛いと感じている身体の部位は「肩甲骨」であることが非常に多いです。肩甲骨上部に硬いしこりのようなもの=「コリ」が出来て、優しく押してもらってもちっとも効かない気がするので、強刺激を求めたくなります。非常に硬いコリは「筋硬結」きんこうけつと呼ばれるもので、筋肉の疲労によってできます。コリは温めると楽になるといいますが、がんこな筋硬結だと、全く楽にならないので、注射や強刺激で痛みを和らげたり麻痺させたりしようと試みていると、筋肉は萎縮してどんどんコリがひどくなります。瘢痕化(はんこん化)してしまったコリは、肩甲骨周辺だけでなく背中まで広がり、まるで岩のようになってしまいます。そうなると、なかなか良くなりません。
背中の痛みと肩甲骨周辺の痛みと違和感の改善方法
僧帽筋の疲労だと、まだ押したり揉んだりすることで一時的に痛みを軽減することは可能です。ただ、背骨の歪みが背中の痛みの原因である場合、揉んでもたいして改善につながらず我慢すればするほど長い期間、重だるさや違和感と付き合っていくことになります。背骨が歪んでいると「これ以上歪まないように」と、自動的に周囲の筋肉が緊張しているためでもあります。
肩甲骨周辺の痛みも同じです。強めに押すと一時的に楽になった気がします。痛気持ちいと脳が感じるのですが、ゆるんだわけではないので、またすぐにこってきます。根本的に改善するためには、やはり骨盤を正しい位置に調整し、背骨の歪みを改善させ、背中の筋肉のバランスをとることが大切です。交感神経を抑制することで、これまで滞っていた血流とリンパの流れをよくし、背中にたまった老廃物を追い出してしまう道筋をつくることをからだのことならでは大切にしています。
院長 おおしま