神経痛とは
最近では、TVのコマーシャルでも「神経痛」という言葉をよく耳にするようになりました。「神経の痛み」と聞くとあまりピンとこないため不安になる患者様も多いです。そのため、簡単に説明したいと思います。
全身には様々な神経が走っていますが、神経の仕組みは以下のようになります。ざっと見て頂ければ結構ですよ。
中枢神経
脳(大脳、脳幹、小脳)と脊髄で構成されています。
「中枢」という名の通り、「大切な部分」です。
脳は物事を考えたり指令を出したりする司令塔としての役割を行います。
脊髄は脳から背中の下方まで伸びており、手の 指程度の太さの非常に細長い器官です。
http://www.webmd.com/brain/central-nervous-system
末梢神経
1人の人間の、司令塔である中枢神経系(脳と脊髄)と体の末梢(筋肉や皮膚の感覚受容器など)を連絡する神経路のことを言います。12対の脳神経と31対の脊髄神経が含まれます。
例えば、「手や足に存在する神経(自分の意志で動かせる=体性神経)」や「心臓・肺などの臓器に存在する神経(自分の意志で動かせない=自律神経」などがこれに該当します。
これらの神経は脳や脊髄以外の神経であり、これら全て含めて末梢神経と言います。末梢神経は中枢神経に繋がり、そこから全身に伸び、脳や脊髄などの中枢からのシグナルを体全体に伝える役割があります。
http://www.physiocomestoyou.co.uk/blog/advice-peripheral-nerve-injuries/
*ちょっとややこしいのですが、脳神経はよく中枢神経と勘違いされやすいのですが末梢神経です。脳神経は脳幹から繊維が伸びて頭頸部の運動神経・感覚神経・自律神経を司る末梢神経の総称です。
これらの神経が、なんらかの理由で圧迫を受けたりすると、その神経が関連する部位に痛みやしびれがおこります。これがいわゆる「神経痛」です。坐骨神経痛・肋間神経痛などがあります。
坐骨神経神経痛
末梢神経のなかでも「坐骨神経」は身体の中で最も太くて長い神経です。脊髄(背骨の中央を通る神経の束)の下方からでて、骨盤を経由し、太ももへと下がり、ふくらはぎの後ろを通って、足の甲や足の裏に達します。
椎間板ヘルニアなどにより、飛び出した椎間板が坐骨神経を圧迫すると、主に腰から足の後ろ側や外側に痛みが現れます。この痛みは強く、刺すような発作的な激痛も起こります。
また、膝の下やふくらはぎまで痛くなることがあります。
坐骨神経痛のもう一つの原因としては、腰部の脊柱管狭窄症があげられます。腰の反りが強くなること(腰椎前弯の増強)により狭窄部位が圧迫され、痛みやシビレなどの症状が悪化する原因となります。
坐骨神経痛の特徴
左右の下半身どちらか一方に強い痛みが現れます。
足のしびれ・ふくらはぎの痙攣を併発することもあります。
身体を曲げると痛みが増します。
咳やくしゃみだけでも痛みが走ります。
坐骨神経痛を改善するためには
上記でも述べたように、坐骨神経痛は、坐骨神経が「圧迫」されて起こるものですから、その「圧迫」を取ることが大切です。そして、その圧迫の主な原因は、椎間板ヘルニア・腰部の脊柱管狭窄症・腰椎すべり症・梨状筋症候群であることが多いです。
そして、それらの原因がなぜ起こるかと言うと、「背骨(椎間板)の不具合」と「骨盤(仙腸関節)のゆがみ」である場合がほとんどです。これを「根本原因」と呼んでいます。
そのため、坐骨神経痛の治療には、「背骨と骨盤の調整」が必須になります。また、下半身の血流やリンパの流れが悪いと筋肉も硬直しますから、さらに痛みが増すことになります。そのため、マッサージをすると痛みが少し楽になることもありますが、それだけでは根本的な原因はまだとれていないので、坐骨神経痛が改善したとは言えません。
からだのことならでは、オステオパシーをベースとした整体法、身体に負担をかけない骨格調整法などで、坐骨神経痛を改善する方法をとっています。
院長 おおしま