「ぎっくり腰になってしまった! どうしたらいいの?」
「腰がピキピキっとなった!」
「冷やすの?温めるの?」
「コルセットはしたほうがいいの?」
「うつ伏せで寝てもいいの?」
などといった治療院でよくある質問にずばりお答えします。
ぎっくり腰っていったい何?
腰にものすごい激痛が起こることを「ぎっくり腰」と呼びますが、簡単に言うと、腰の捻挫になります。捻挫は、関節(骨と骨のつなぎめ)が傷ついてしまったり、靭帯(骨と骨を結ぶ紐のようなもの)が伸びすぎてしまったり、腱や軟骨が怪我してしまうことをいいます。怪我をしてしまうということは、身体の内部にある血管が傷ついた状態になり、腫れてきて炎症を起こし、熱を持っている状態です。
【必読】ぎっくり腰の時にやってはいけないこと
温めてはいけません。
ぎっくり腰はほとんどの場合、「捻挫」=「怪我」で、炎症を起こし、熱をもっています。なので、最低でも3日間は温めてはいけません。痛いところに、トウガラシを擦り込むようなもので、どんどん熱を持ってきてしまいます。
お風呂やサウナはNGです。
うつ伏せに長い時間寝るのはNGです。固まってしまって動けなくなります。
座ると痛みが増します。なので、20分に一回は立って動くようにして下さい。
長い時間の運転もNGです。
湿布はほとんど効果がありませんし、薬局で売られている薬もほとんど効果がありません。効かない上に値段も安くないのであまりお勧めできません。 温湿布・冷湿布とも同じです。
安心感のため、コルセットをきつくしめる方もいますが、コルセットをつけている人がなかなか治ることが少ないです。
ストレッチも痛みがひどくなりますのでNGです。
マッサージや強く揉んだり、押したりするのはNGです。筋肉を傷める可能性があります。
ぎっくり腰の処置・対処
ぎっくり腰になってしまったら、基本の3原則は「温めない」「座らない」「何もしない」です。
横向きで丸くなって寝て下さい。
おとなしく寝ているのが一番です。
横向きで寝て、患部をアイスノンや保冷剤をハンカチなどで巻いて冷やすのが基本です。湿布は冷やす効果が低いのであまり意味がありません。
氷枕でもOKです。
ごくまれに、冷やすと痛みが増える方がいますが、その場合は何もしないでください。
学校や会社に連絡を。
朝、ぎっくり腰になることが多いです。なので、学校やお勤めがある方は、「これから無事学校にたどり着けるのか…」「会社にたどりつけるのだろうか…」と、真っ先に不安が頭をよぎります。
ぎっくり腰の経験者は意外と周りには多いものです。本人が経験していなくても、家族が…知り合いが…という感じでほとんどの人がその辛さを直接的、間接的に知っています。なので、なってしまったらまず学校の先生や友人、会社なら上司や同僚にすぐ連絡してみて下さい。良くも悪くもほとんどの場合、「かわいそうに。ゆっくり休んでください」と同情されます。
程度にもよりますが、ぎっくり腰になると、歩くのも普段の数倍以上の時間がかかります。電車に乗る場合は、一度座ってしまうと、自分の駅になっても立てなくて「降りそびれた」という話をよく聞きます。また、電車で立っていると、電車の揺れに耐えるのに必死で降りた途端動けなくなることもあります。車で出勤しようものなら、痛みに苦しむことになり、長距離になればなるほど悲惨なことになります。
そうです。目的に着くまでに、想像以上に時間がかかるのです。それを、学校や職場に先に伝えて、まずは落ち着いて下さい。「休めるようなら休む」が一番です。それができない場合は、「ぎっくり腰はこういうものだから」と腹をくくって諦めて、ゆっくりゆっくり行動して下さい。
もしその時、「ぎっくり腰なんかで何を言ってるんだ!さっさと来い」と言われることがあれば、その人は周りに体験者もいなく、自身も体験がなく「ぎっくり腰とはどういうものかを全然知らない、知識不足」なだけなのです。まぁ、今の時代、知らない人も少なくなってきてはいるのですが…。
院長 おおしま