肩こりの原因の徹底追及
ここでは、一般的な「肩こり」の原因を1つ1つ追求していきたいと思います。
原因その1 腕の使い過ぎ・胸や肩の筋肉疲労による肩こり
重い荷物を持ったり、手をよく動かしたり、しばらくやっていなかった腕を使うスポーツ(ボーリング・テニス・野球など)をした時に、強い筋肉疲労から腕や肩が痛くなったりします。
肩こり その①でも書きましたが、腕はそもそもかなり重いため、何もしていなくても肩には腕を支えるために負担がかかっています=筋肉が頑張っています=緊張しています。そのため、筋肉が弱った状態だと回復も遅く、ちょっとした運動をしたとしても肩の疲れが抜けづらくなります。
指を使いすぎても同じことが言えます。なぜなら指の動きは肩と胸の筋肉によってコントロールされているからです。使いすぎる=緊張状態が続く⇒緊張状態が続くということは、その周辺の血流(主に静脈血)やリンパ液がとどこおり、筋肉にたまった疲労物質や老廃物を上手く流すことができず、疲れが同じ場所に蓄積してしまうことになります。
原因その2 姿勢の悪さによって起こる肩こり
この原因は、患者様のほとんどが自覚があるとおっしゃっていた原因です。パソコンやスマートフォンの普及が原因で、本来、S字のカーブがかかっているのが正常な背骨が、背中を丸めて顔を突き出した姿勢が多くなったりすることで、首・肩・背中・おなかの筋肉や骨のバランスが崩れてきます。
上の図を見て下さい。
二足歩行の人間がちゃんと体重を支えてバランスよく歩けるように、背骨はゆるやかなS字カーブを描いています。歩くときの振動を分散したり、頭の重さを支えるにかかせないとても大切な曲線です。もし、背骨がマッチ棒のように真っ直ぐだったら(上の図のD)、歩くことも頭を支えることも困難なのが想像できます。
そして、そのS字のカーブは筋肉によって支えられています。身体の全面にある腹筋と後面にある背筋がバランスよく働くことで背骨も正しくカーブを描けるようになり、姿勢も美しく、肩こりも起らないと言っても過言ではありません。
反対に、これらの筋肉のバランスが崩れてしまったり、写真のB~Fのように、骨盤まで前方や後方に回旋してしまうと、背骨が上手くS字を描けなくなり、重い頭を支えるバランスも崩れ、首や肩の筋肉が必要以上に頑張って頭を支えることになります。これがひどい肩こりや首の痛み、首こりにつながります。
これらの理由から、からだのことならでは、肩こり解消・肩こり改善のアプローチとして、
① 血流・リンパの流れの正常化
② 背骨や骨盤の歪みの調整
③ 肩甲骨と肩周りの関節の可動域の調整
④ 交感神経の抑制(血管を弛緩させる)
これらが欠かせないものと考えます。
普段、図のように明らかに悪い姿勢を続けていると、「悪い姿勢が正しい姿勢だ!」脳にインプットされてしまいます。そのため、整体によって1度や2度、筋肉や骨盤のゆがみを正しい位置に矯正しても一時的には身体は物理的に楽になるのですが、また時間がたつと脳に一旦インプットされた悪い姿勢に戻ろうとします。その戻ろうとしたときに「いや、いや、こっちの方が正しい姿勢なんだよ」と、また矯正をしてあげます。それを一定回数繰り返すことで、「本当に正しい姿勢」を脳が覚えてくれるようになります。そのため、短期集中で根本的に改善するためには1回ではなく、症状にもよりますが短期間に3回~6回の通院をお勧めしています。
揉んだり押したりするだけのマッサージでは、肩こりの改善は厳しいということがお分かり頂けるかと思います。
院長 おおしま