男性も女性も苦しむ慢性腰痛
肩こり・首こりについで多いのが「腰痛」です。男性・女性どちらも腰痛に苦しんでいる人は想像以上に多く、ケガによる「腰痛」ではなく「慢性的な腰痛」で長い間苦しむパターンが目立ちます。ただ、「腰痛」と一言で言っても痛みを感じる場所・痛さの種類・痛みを引き起こす姿勢・普段多い姿勢にはバラつきがあります。「どの様な体勢をしている時に一番痛いですか?」と聞くと以下の様な様々な答えが返ってきます。
寝ている時
何もしていなくても違和感
立っている時
歩いている時
座っている時
前かがみをした時
重いものを持った時
これらの答えから若干治療法も変わってきますが、腰痛の原因は多くの場合、5つぐらいにしぼられますから、その原因に見合った施術をすることで「慢性腰痛」の場合でもかなりの確率で改善します。
内蔵異常による「腰痛」
内蔵の異常により、「背中が痛い」「腰が痛い」ということはよく知られています。膵炎・肝臓や胆のう、腎臓の病気で腰痛を訴える患者様は多く、それ以外でも肋膜炎・食道疾患・心筋梗塞で、腰が痛くなることがまれにあります。怖いのは、ガンによる腰痛です。
すい臓がん・肝臓がん・胃がん・大腸がんが原因で腰痛が起こることがあります。そのため、腰痛を軽く見てはいけません。内蔵の異常による腰痛は、他の症状も大体併発していますので、思い当たることがあればすぐに血液検査でも構いませんので念のため検査をすることをお勧めしています。筋肉的な問題で痛くなる「腰痛」は横になったり、マッサージしたりすると一時的に楽になったりします。一方、内臓の異常による腰痛は起きていても寝ていてもずっと痛いのが特徴なのでこれも一つの目安となります。
これらの内臓異常による腰痛とはちがい、内臓が下垂してしまったことによる「腰痛」もあります。腎臓・大腸・小腸・膀胱などが垂れ下がる=下垂することで腹部の内圧が高くなり、背骨や腰の筋肉を圧迫します。内臓下垂が原因の腰痛は鈍痛が長く続くのが特徴です。腰痛に加え、胃腸の機能低下、おなかがポッコリしている、下痢や便秘、泌尿器科の機能低下が気になりだしたら内臓下垂の可能性があります。開いた骨盤を調整し下がってきた内臓をできるだけ元の位置に戻す、全身の筋肉バランス調整、インナーマッスルを鍛えることで改善を目指します。
骨盤の異常からくる「腰痛」
骨盤異常が原因の腰痛は女性に多いのが特徴です。もともと女性の骨盤には子宮・卵巣・膀胱などが収まっており、出産にそなえて、男性よりも幅が広く薄くできています。その骨盤をガードルやきつめのショーツ・パンストで圧迫し骨盤に負担をかけていることが原因の一つとしてあげられます。
背骨の異常からくる「腰痛」
腰痛の大半は、悪い姿勢や運動不足による背骨の異常から来るといっていいでしょう。肩こりや首こりの原因でも書きましたが、背骨は、身体を支えたり、衝撃を分散するために、「生理的弯曲」=S字カーブを描いています。また、腰の部分は肋骨がないため、腰の骨と腰の筋肉だけで身体全体を支えていることになります。それなのに、運動不足や老化により筋肉が衰えてきたり、悪い姿勢を続けていると腰から背中の筋肉に多大な負担がかかるばかりか、引っ張られた筋肉に影響して、S字カーブを描けないどころか腰の骨まで歪む結果となります。多くの場合、腰だけではなく背骨がつながっている、背中・肩甲骨・首まで痛みを併発してしまいます。
からだのことならでは、背骨の土台となる骨盤の歪みを調整するために全身の筋肉をゆるめます(交感神経の抑制とリンパ排液などによる)。その後、骨盤を正しい位置に矯正し、背骨も整えます。それだけでもほとんどの場合、腰痛は随分楽になりますが、身体に正しい姿勢を覚え込ませるため、1回だけではなく、元に戻ろうとするタイミングで矯正を3回~6回繰り返すことをお勧めしています。
院長 おおしま